ロータリーの友 10月号

2016年10月 John F. Germ 2016-17年度会長

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1979年、ジェームス L. ボーマーRI会長(当時)がフィリピンに赴き、子どもたちにポリオ予防接種を行いました。これは、ロータリーがポリオ撲滅活動に着手した初期のことです。会長が赤ちゃんの口に経口ワクチンをたらすと、その横で子どもの手が彼のズボンを引っ張りました。赤ちゃんの兄弟です。会長を見上げて懸命にこう言いました。「ありがとう。ロータリー、本当にありがとう」

ロータリーがポリオ撲滅に取り組み始めるまで、毎年35万人の人びとがポリオによる麻痺障害に苦しみ、そのほとんどは子どもでした。このフィリピンの子どもは、ポリオがどんな病気であるか、そしてロータリーが自分の小さな弟のために何をしたかをはっきりと理解していました。ポリオプラスの発足から31年が経った今、フィリピンを含む、世界のほぼすべての国のこどもたちはポリオという病気やその恐ろしさを知ることなく成長しています。過去には毎日1,000件のポリオが新たに発症していたのが、現在では平均すると1週間に1件未満となりました。しかしポリオのへ恐怖心が弱まると同時に、この病気への注意も弱まっています。今こそこれまで以上にポリオへの意識を高め、ポリオ撲滅を最も重要な公的アジェンダに置き、政府の取り組みの優先事項とすることが非常に大切です。ポリオ撲滅の取り組みがまだ終わっていないこと、そしてロータリーがポリオ撲滅のために今もなお取り組んでいることを世界に知ってもらう必要があります。

ロータリーは10月24日の「世界ポリオデー」を記念して、ポリオ撲滅に必要な基金を募ります。皆さんには所属クラブ、地域社会、オンラインでのイベント開催によるご協力をお願いいたします。アイデアや資料は、日本語で、よりダウンロードいただけます。また、同リンクからロータリーへのイベント登録が可能です。私を含む数万人のロータリアンとともに、アトランタの米国疾病対策センター(CDC)で午後6時(米国東部標準時/日本時間の25日午前8時)にライブストリーミングで配信される世界の最新動向をご覧ください。CDC所長のトム・フリーデン氏、その他の専門家、素晴らしい講演者とともに私も参加し、ポリオ撲滅に関する科学、パートナーシップ、人間ドラマなどの内部事情をお伝えします。

当日はロータリアンにとって大変素晴らしい時間となるでしょう。私たちは、ポリオプラスの終わりとポリオのない世界の始まりのに向けて、最後の闘いにより一層力を注いでいます。これは、「人類に奉仕するロータリー」によってポリオ撲滅を達成する、まさに人生に一度のチャンスです。